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洋書

お気に入りの本


1. The Electrical Field - Kerri Sakamoto

Electrical Field


5,6年前に読んだ本なので詳細はよく覚えていないんだけど、ラストで「そうだったのか!!」と衝撃を受けたことと、とにかく文章が綺麗だったことをよく覚えています。
英語がそんなに分からなかった私にも綺麗な文章だということは良く分かりました。

カナダの日系2世である中年女性がこの本の語り部です。
孤独を感じている彼女の近所に、日系の家族が引越して来ることから全てが始まります。

静かにディープに進行していく話で、最後にいろんなことが明らかになりどんでん返しが。
ラストに向けて語り手がだんだん感情的になっていき、全てが終わったところでカタルシスが感じられます。

ディープで繊細な話が好きな人にお勧め。
第二次世界大戦後のカナダの日系人を少し知りたい人にもお勧め…だったかな?



2. Shot in the Heart - Mikal Gilmore

Shot in the Heart


作家の村上春樹さんが勧めていたので読みました。
サーチしてもたくさんレビューが出てきます。

いろんな意味でとても圧倒される本でした。
こんな世界があるのかという驚きと、環境がどれだけ子供に影響を及ぼすのかという恐れと。
筆者のマイケル・ギルモアは音楽雑誌のコラムニストだったと思いますが、実は有名な殺人犯、ゲイリー・ギルモアの弟でした。

ゲイリー・ギルモアは理由もなく衝動的に二人を殺害し、死刑廃止に傾いていたアメリカユタ州で自ら死刑を求め有名になったのでした。
ハンサムだったこともありインタビューの申し込みも殺到しましたが、虐待された事実については絶対認めませんでした。

そのゲイリーの弟であるということを長年隠してきたマイケルが、ゲイリーが絶対に語ろうとしなかった家族の秘密について知っている限り書いたのがこの本です。
彼は遅くに生まれてきた子だったのと、父親のお気に入りだったことから、他の3人の兄弟と同じ目にあうことなく「まともな人間」に育ったのでした。

この本を読んでいると、ゲイリーを初め他の兄弟の痛み、両親の痛みまでも感じられる気がします。

私は別のことでリサーチをしていて、偶然マイケル・ギルモアの書いたコラムを見つけた時なんだか他人とは思えませんでした。
それにしても、ゲイリーが握りつぶして誰にも言わなかった自分の出生の秘密とは何だったんだろう。


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